2019年10月2日水曜日

読書メモ…「霊能者ですがガンになりました」



驚いた。

「強制除霊師・斎」 シリーズの主役である、斎さん、亡くなってしまっていた。






乳がんを発病されたということと、闘病記も漫画化されるということは、シリーズのほうの作品の巻末に書かれていたので知っていた。

でも、きっと治って元気になられるのだろうと思っていた。

亡くなったと知ったのは、Amazonで、ご冥福を祈るレビューを寄せている方がいたのを見たから。

まさかと思いながら、本を購入して読んだ。
巻末に、作画の小林薫さんが、「斎さんの思い出」として、亡くなられた日時やご様子を寄せていた。


オカルトものや霊関係の話は、基本的に苦手だ。

信じる信じない以前に、人の手に負えない世界からもたらされる理不尽を見せつけて、不安や恐怖をあおるような仕組みのものが多いからだ。

でも、「強制除霊師・斎」のお話は、人としてのありかたや、ふりかかってくる困難に向き合う姿勢に、ものすごくゆるぎない筋が通っているように思えて、好きだった。こわい話も、こわくなかった。



「霊能者ですがガンになりました」の斎さんも、いつもの作品と同じように、背筋がぴんとまっすぐなまま、がんに立ち向かっておられた。



悲しいけど、この漫画、面白くて、すごい。


自覚症状での受診。
ふれてわかるほどのコリコリがあり、「コリッチョ」と命名。

最初の検査。
痛くてつらいマンモグラフィーや生検を、いっそう痛くするような、医療従事者たちの理不尽な声掛け。

「痛かったら言ってくださーい」
「いででででででて!」
「我慢してくださーい」

検査、あるあるである。(T_T)


医師との関係。

斎さんの主治医は、腕はともかく、患者の心を平気で傷つけるようなことを口にするタイプだったようだ。

漫画で描かれているエピソードを半分に割り引いても、私だったら、二度とその病院に行かなくなるレベルのひどさ。患者の胸を見て、あなたなら再建の必要ないだろう、みたいなことを言うのって、漫画のネタでも却下したいくらいだ。

同じ科の医師とのいざこざを、患者にぶつける下りは、ほんとに腹がたった。
この医者たち、いつか自分が癌患者になるまで、反省しないのだろう、きっと。


人間的にヒドい主治医であっても、仕事に対して真摯であるという本質を見抜いていた斎さんは、セカンドオピニオンも取らず、主治医を変えることはしていない。

手術と、術後のリハビリ。抗がん剤を受けながらの、日常への復帰。

抗がん剤で髪の毛が抜けてしまってからは、値段の安いウイッグを使って楽しんでおられた。


霊能者の方の闘病記だから、もちろん霊も登場するのだけど、入院されていた病院が新築だったためか、あまり「いなかった」みたいで、意外と少な目だった。


新築の病院よりも、市役所の待合室にたくさんいるんだそうだ。死んだ方々も、なぜなんだろう。何かの手続きに行ってしまうのか。なんだか「死役所」(あずみきし作 新潮社)みたい…。



苦しみも葛藤も、自分の弱さも、学びとしてすべて受け止めて、病気と闘って生き延びることをあきらめない。

書いてしまうと簡単なことだけど、できる人はきっと少ない。




この作品は、内容がよいため、がん治療関係の学会でも取り上げられたのだそうだ。




霊能者ですがガンになりました」は、Amazonのkindle版は、読み放題に入っていれば、0円で読むことができる。

ピッコマなどの無料マンガアプリでも、一部読めるようだ。




 Amazonで見る


1 件のコメント:

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