2016年9月24日土曜日

沖田 ×華・君 影草 「はざまのコドモ」 (広汎性発達障害・睡眠相遅延症候群)

はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児 Kindle版 マンガ
沖田 ×華  (著), 君 影草 (その他)

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乳児のころから睡眠に問題を抱え、親がヨレヨレになっても全く寝てくれないコドモ。


育ち方にも、行動にも、問題が山ほどあるのに、明確な診断が出なくて、「様子を見ましょう」「育て方のせいでは?」といわれてしまうコドモ。

普通学級への適応が難しいのに、知能が高くて療育手帳をもらえないため、支援学校を選択できず、行き場を失ってしまうコドモ。




一気に読む途中、何度となく怒髪天状態になりました。



「何このバカ教頭!? 自分の業績に傷がつくから発達障害の子を学校から追い出すとか、氏ねばいいんじゃない?!」


「担任クソすぎ! 気に入らない児童をあからさまに脅迫するとか、この世にいらんわこんな人材!」


「ヤブ医者ゴルアぁぁぁ! 自分の無能タナに上げて、こんなに頑張ってる母親に責任負わすなあああああっ!!」





他人事ではない話ばかりでした。(´;ω;`)



ええと、我が家には、発達障害児が三人おります。


実行機能障害、解離性障害といわれる問題を抱える、長女。(20歳)

横綱級の重度広汎性発達障害の息子。(18歳)

診断名は広汎性発達障害だけど、ADHDに近い問題を抱えていて、投薬を受けている末っ子(11歳)。


(あ、うちのコドモたちの詳しい話とか日記とかは、別のブログ「だっきたんぐる」に書いてます)



三人のうち、最も障害が重くて生活が大変なのは、息子です。

自立できる部分が少ないので、24時間、ほとんど目を離すことができません。つねに介助が必要です。一人で出歩くことはもちろん、留守番をすることもありません。つねに、誰かと一緒です。

家族の負担は、かなり大変ではあります。

けれども、支援学級、支援学校で大切に育てていただき、卒業後も、手厚い福祉サービスを受けることができて、毎日幸せそうに暮らしています。私自身、息子のことを、「苦労」と思うことは、もうほとんどありません。

もちろん息子の将来のことは、胃がちぎれるほど心配ですけども、いろいろな手立てを考えて努力しようと思える程度には、生活にも精神的にも、余裕を持つことが出来ています。

なにしろ、横綱級の障害児、しかも自閉傾向バリバリですから、周囲が障害を理解しない、などということが、あり得ません。

無理解による差別に遭遇することがあっても、福祉行政や障害児教育の世界では、主役ド真ん中な存在ですから、居場所がちゃんとあるのです。



それに対して、長女と末っ子の障害は、かなり微妙な難しさ、困難さがつきまといました。


末っ子が、集団適応の難しい子だということは、幼稚園に入る前から、薄々分かってはいました。

けれども、知能の発達に目立った問題がなく(…問題どころか、2歳になるまえに、ひらがなを覚えはじめて、周囲を驚愕させました)、自閉傾向も全くありませんでしたから、療育の必要も感じないまま幼稚園を終え、小学校に入学させてしまいました。


その結果、小学校入学1週間で、クラスへの適応が困難となり、保健室登校開始。
担任の先生の尽力もあって、なとんか教室に戻れるようになったものの、宿題は全くできず、提出物、持ち物の管理もかなり難しく、親がすっかり頭を抱える状態になりました。

できなかった宿題、出せなかった提出物に、びっしりと付箋を貼られて、返されてくる日々…。

担任の先生には、何度となく相談しましたが、

「でも、もっと大変な子も、いますから」
「そんなに問題ではないと思うんですよ」


といった答えが返ってくるばかり。

現実に子どもが苦しんで、困っているのに、「たいしたことはない」と言われてしまう苦痛。

手探りではあれ、できる限りの手を尽くした上で、相談していて、そう言われてしまうと、どうしようもありません。


問題ないなら、なぜ宿題ができないのか。

なぜ教室で全く声が出せず、クラスメートにいじめられつづけるのは、「たいしたことはない」問題なのか。

どうして、「たいしたことはない」はずなのに、学校に行くのを猛烈に怖がり、宿題をさせようとすると、死にそうなほど号泣して、断固拒否しつづけるのか。


結局、息子が幼児のころから御世話になっている療育教室の先生に相談して、末っ子も療育を開始。その後、病院で広汎性発達障害の診断をいただいて、ADHDの治療薬を処方してもらい、学校での適応の問題は、劇的に改善しました。


長女の発達障害が分かったのは、とても遅く、20歳になる直前でした。
親はもちろん、本人も、自分が抱えつづけていた困難に気づかないまま、ひたすら耐え続けていたのです。

せめて親が、もっと早くに気づいていたら……

でも、末っ子の場合と同様、親が問題意識を持って学校に出向いても、おそらく何の解決にもならなかっただろうと思います。長女は発達障害とは別に、難病も抱えていて、発病するたびに長期欠席となってしまっていましたが、それについても、義務教育の学校は、基本「放置」でした。

長女のことも、息子の通っていた療育教室の先生に相談し、いまも御世話になっています。


もしも、息子の療育の先生との出会いがなかったら……私も、「はざまのコドモ」のお母さんのように、孤立状態のなかで、いまも苦しみつづけていたかもしれません。




あ、作中の教頭のような人は、残念ですが実在します。
うちも、似たようなことがありました。校長先生に呼ばれて、いきなり息子を転校させろと言われたのです。

そのときに校長室で言われたセリフを忘れられません。


「こういう子っていうのはね、学年があがってくると、物覚えにくくなって、固まっちゃうんだよね。早く移ったほうがいいんですよ」



それでも、なんとか話し合って、在籍を続けさせてもらい、息子は仲間たちと一緒に立派に卒業することができましたけれども、心のなかには、強い痛みが残りました。


当時描いた、校長先生の似顔絵(?)に、そのころの気持がよく現れている気がします。










本の紹介から思いっきり脱線しましたが……


「はざまのコドモ」は、学校や、障害児教育に関係する、多くの方々に、読んでもらいたい漫画作品です。


これ以上、「はざま」の暗黒のなかで、苦しみ続ける親子が生まれてしまわないためにも。



本書は、2016/09/24 現在、Kindle unlimitedに登録されています。定額読み放題です。




















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