2016年11月30日水曜日

清水茜 「はたらく細胞」(1) (肺炎球菌菌血症)


ヒロインが赤血球で、ヒーローが白血球という、お話です。




清水茜 「はたらく細胞」(1)


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ミクロの世界である人体組織の中で、全力で生き抜く細胞たちが、働く若者達の姿で描かれています。

そこで起こる事件は、細胞視点では、すべてが大スペクタクルですが、ごく日常的で、些細な出来事でもあります。


たとえば、こんな凶悪な菌が、血管に入り込んできます。






彼らの名前は、肺炎球菌。


どこにでもいる菌ですが、免疫が弱っていると、命に関わる病気を引き起こすこともある、おそろしい存在です。


そんな肺炎球菌を、白血球が全力で迎撃。







怖いけど、ステキです。


そして、白血球に守られた赤血球に、ほのかな思慕が芽生えて・・・








状況的に、ものすごく、ロマンスを期待したいところですが、よく考えてみたら、同じ人体のなかのパーツなわけで、この先、この二人(いや、二粒か?)が、どうなっていくのか、全く予想がつきません。




■肺炎球菌菌血症


菌血症は、無菌でなくてはならない血液のなかに、最近が存在している状態のことを言います。


漫画に描かれているように、肺炎球菌が血液中に侵入し、免疫で撃退できない場合は、細菌性髄膜炎など、非常に危険な病気に進んでしまう場合があります。

肺炎球菌菌血症は、2歳未満の子どもと、65歳以上のお年寄り、そして免疫が弱っている人が、罹りやすい病気なのだそうです。


幼児やお年寄りが、高熱を出したようなときには、早く医療機関にかかるべきでしょう。













2016年11月27日日曜日

城山三郎 「そうか、もう君はいないのか」   (肝臓がん)(脂肪肝)



新聞だったかネットニュースだったか忘れましたが、この手記が紹介されていたのを見て、すぐにDLして読んでみました。



城山三郎 「そうか、もう君はいないのか」 

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最愛の人を失った悲しみ、虚しさ、さみしさが、書名からにじみでていて、どうにも切なくなります。




学生のころ、たまたま道で出会ったその日に、たった一度だけのデートで相思相愛になったのに、彼女の親に反対されて、別れることに。

その後、紆余曲折を経て再会。

今度は双方の親の了解を得て、結婚。

ハネムーンでのういういしいカップルぶり。新婚生活のとんでもない苦労。新人賞獲得後は、地元のしがらみから離れて執筆に専念するために、茅ヶ崎に転居。そして・・・・・・

刺激の多い都会から離れ、家族とともに茅ヶ崎に深く根を張り、自分のペースで執筆を継続して、多くの作品を生み出しつづけた作者の生活は、もしかすると、修行僧のように苦しい面もあったのではないかと思います。

けれども、明るい気性の奥さんと一緒に、長い年月をじっくりと味わいながら、楽しみながら、乗り越えてきたのかのかもしれません。本書で、淡々と綴られていく、夫婦の歩みから、そんな感じを受けました。



それなのに・・・・・・。


最愛の妻、容子さんの亡くなり方は、かかりつけの医師との経緯を考えれば、とても納得して受け止められるものではなかっただろうと思います。







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 癌はいずれにせよ、早期発見が肝要にちがいない。

 偶々、茅ヶ崎の駅前ビルに、東京の有名病院の内科医が独立して開業したので、容子は血圧が高めでもあるし、早速、月二回の診察を受けることにした。


 ところが、この医師のいた大病院では趣味人というか、筆の立つことでも有名な医師が何人も輩出しており、この医師もまた風流人。それ故かどうか、名医という評判ながら、どこか患者を見下すようなところがあった。


 そして、ある日、処方箋にそれまでに比べて記載漏れかと思われる箇所があり、不要かどうか医師にたしかめてくれと、薬局で言われ、医院に引き返して、そのことを訊くと、とたんに医師は大声を張り上げ、


「医者に教える気か!」


 と、怒鳴りつけた。

 その後になって、この医師に検査を受けた折、

「あんたの肝臓はフォアグラだな、アハハ」


と笑われたが、ただそれだけで説明がなく、といって訊くなり、問い返すなりすることも、怒鳴られたことを思い出すと、こわくてできない。


 私がこのやり取りを知ったときは、もう後の祭りであった。

「フォアグラ」というのは、つまり、すでに肝硬変が進んでいたのではないか。
 その段階で、きちんと診察し、本人にも自覚させ、本格的な治療を受けていれば・・・・・・。

 何故もっとはっきり病状を伝えなかったか、何故悪い肝臓を放置したか、その医師にはいまも恨みが残る。容子は、定期的に検診を受けているので、まさか重い病気が進行しているなどとは思いもせず、同じ病院に通い続けた。


(引用終わり)

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とんでもないモラハラ医者がいたものです。


処方についての薬局からの問い合わせを、逆ギレで撃退するとか、あり得ない対応です。

まして、検査しておいて、患者の肝臓をフォアグラ呼ばわりして嘲笑した上、肝臓がんを見逃すとか・・・・・


心情的には、医師免許剥奪してほしいレベルです。


この医者さえ駅前に開業していなければ、亡くならずに済んだかもしれないのに。



読むうちに、私まで猛然と腹がたってしまい、思わず、googleマップで、茅ヶ崎駅前の内科を検索してしまいしまた。

もっとも、どこがその病院であるかは、分かりせんでしたけれども。


(´・ω・`)



■肝臓がん/脂肪肝

上の引用文中、茅ヶ崎の駅前ビルの藪医者が、

「あんたの肝臓は、フォアグラだな。アハハ」


と言っているのは、脂肪肝を指摘したものではないかと想像します。フォアグラって、ガチョウやアヒルにたくさんエサをやって、脂肪肝にしたものだそうですから。


エコーで肝臓を検査したときに、脂肪がたくさんついていると、白い影になって見えます。


私も何年か前に、エコー検査で脂肪肝を指摘されたことがあります。脂肪がたくさんついていると、エコーの機械の画面で、素人目にも分かるくらい、白い影になって見えます。



脂肪肝から、肝硬変や肝臓がんになることも少なくないのだそうですから、笑いごとではありません。


私の場合、血液検査でも、GOTやらGPTやらの数値がちょっと高かったため、生活習慣を整えるように、医師にきつく言われました。

それで恐れをなしてダイエットを決行し、GOTやらGPTやらは、安全な数値まで下がりました。


容子さんも、定期検査をしていたのだから、まともな医師が早めに意見していれば、末期がんになるまで気づかないなどということもなく、ご夫婦でもっと長生きされていたかもしれません。



威張る医者、まともに説明しない医者、わけもなく患者を嘲笑する医者は、ミスして逆ギレするような医者は、非常に危険ですので、取り返しのつかなくなる前に、病院を変えるべきです。














2016年11月23日水曜日

羽海野チカ (著) 「3月のライオン」第一巻  (急性アルコール中毒)(腎臓病)(ネフローゼ症候群)


何度読み返しても、心に沁み入るような満足感のある作品です。

現時点で12巻まで出ていますが、ひさびさに、1巻を再読しました。




羽海野チカ  (著) 「3月のライオン」 第一巻  




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主人公の桐山零と、川本家の人々を結びつけたのは、どうしようもない理由で家族を失ってしまった、深い心の傷と、痛みだったのかもしれません。


一巻目では、川本家の事情は明らかにさせれませんが、家族の中に迎え入れられた零には、家のなかに音もなく横たわる、深い不幸と悲しみの影が見えています。



この先、12巻までの間に、ろくでもない危機が次々と襲いかかってくるのですが、川本家の人々と霊は、唯一無二の新しい家族を守るために、力を合わせてフルパワーで乗り切っていくことになります。



■急性アルコール中毒




零が、川本家の長女、ゆかりと出会ったのは、歓楽街の夜道でした。



先輩プロ棋士たちの嫌がらせで、無理矢理泥酔させられたまま、路上に捨て置かれていた零を、銀座のホステスをしているゆかりが見つけて、介抱します。






 



まともに立って歩けず、強い吐き気に襲われ、言葉もうまくしゃべれない……


若い人が毎年のように亡くなっている、急性アルコール中毒の症状です。



お酒には、致死量があるということを、知っておくべきだと思います。

飲む人の体格や、飲むスピードなどにもよりますが、ウィスキーですと、水割り(ダブル)を十杯も飲むと、命の危険が出てくるそうです。



零は痩せていますし、普段から不摂生をしていて、満足に食事も取っていませんから、あかりに介抱してもらわなければ、命が危なかったかもしれません。




「3月のライオン」の物語の中では、将棋の勝負が命のやりとりのように苛烈であることが、繰り返し描かれています。才能では零に勝てない先輩達に、未必の殺意があったとしても、不自然ではないだろうと思います。




■腎臓病(ネフローゼ症候群)


以前の記事にも書きましたが、
零のライバルの二海堂晴信は、ネフローゼ症候群と思われる腎臓病を持っています。


羽海野チカ 「3月のライオン 」 (ネフローゼ症候群)

http://ikirutakarabako.blogspot.jp/2016/09/3.html





二海堂は、一巻目から登場していて、すぐに川本家の人々とも打ち解け、手料理をふるまってもらっています。

そこで、食事制限について触れている部分があります。






うす味で、たんぱく控えめ。
うちの長女がネフローゼで入院すると、まさにそういう病院食が出されていました。これがもう、悲しいくらい、美味しくなくて……(涙)。


けれども、あかりさんは、薄味でも美味しい手料理をふるまって、二階堂を感動させます。







このメニュー、何でしょうね。





魚の切り身に、クリームっぽいソースがかかっていて、付け合わせがいろいろ。しめじに、サヤエンドウ、あとは不明。


持ち手のついた器に、細長い具がたくさん入っているように見えるのは、スープでしょうか。

小鉢に入った四角い料理は、カボチャか芋などの煮物かなとも思いますが、コンニャクの可能性もありそうです。

左側の皿は、サラダなのか、炒め物なのか・・・・。


3月のライオンの再現レシピは、ネットにたくさん出ていて、クックパッドでもずらりと並ぶほどでけど、この腎臓病向けレシピを再現したものは、まだ見つけていません。



どなたかやってくださらないかなと、ちょっと期待しています。


(自分でやればいいんですけど、写真にとってUPできるような、きれいな調理は無理なので(^_^;)







千家ゆう ・マギー・コックス「彼だけを待っていた」 (マラリア)

彼だけを待っていた (ハーレクインコミックス) Kindle版
千家ゆう (漫画), マギー・コックス (原作)

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人間不信の億万長者と、幼いころから彼を思いつづけてきたアラサーのヒロインが、ボロボロに傷つけあいながら、心を通じ合わせるまでの物語。


表紙で頭に変な木の実をつけている人は、ウォール街の成功者らしいですが、とんだ自己チュー男で、お話の最後まで、読者をイラつかせる言動を続けます。


自分に思いを寄せているヒロインの気を引いて、愛情を一方的に搾取するだけで、相手の気持ちを思いやることもしない最低男です。どこまでいっても、自分の傷ついた心、最優先。ラストで結婚してますけど、ちっともめでたい感じがしませんでした。(´・ω・`)


(__).。oO


ヒロインが、このろくでもない男性と出会ってしまったのは、ヒロインの兄と彼が親友だったからでした。


けれども冒頭、その兄がアフリカで死亡したとの連絡が入ります。


死因は、マラリア


主に、ハマダラカなどの蚊が、マラリア原虫を媒介し、感染すると、赤血球のなかに寄生されてしまいます。



日本国内では、まず耳にすることのない感染症ですが、海外では亜熱帯、熱帯を中心に流行していて、年間発症数は三億から五億人、死亡者は150万人から270万人にもなるのだそうです


治療可能な感染症ですが、手当が遅れると、多臓器不全などで死ぬ確率が高くなってしまうとのこと。



ヒロインの兄は、慈善事業でアフリカに行っていたということですから、医療をすぐに受けられないような地域にいたのかもしれません。


厚生労働省検疫所のホームページに、マラリア感染予防についての、詳しい情報が掲載されています。


FORTH 海外で健康に過ごすために
http://www.forth.go.jp/useful/malaria.html


アフリカだけでなく、最近日本からの観光が増えているという、東南アジア一帯も、感染の多い地域になっています。


知識をしっかり持ってでかけてほしいです。



ヒロインも、兄がマラリアで亡くならなければ、あんなろくでなしと結婚しなくてもよかったかもしれないのに・・・。


(´・ω・`)









2016年11月2日水曜日

真原ゆう ・ヘレン・ビアンチン 「情熱のとき」 (星状細胞腫)


「情熱のとき」

真原ゆう (漫画), ヘレン・ビアンチン (原作)  Kindle版 Amazon ハーレクイン





シングルマザーのカーリーは、愛娘のアン・マリーと堅実で幸せな生活を送っていましたが、そのアン・マリーが星状細胞腫という難病に罹ってしまいます。

星状細胞腫の手術には多額な費用がかかますが、カーリーにはそれを工面できる見込みがなかったため、別れた夫であり、いまだに実の娘の存在を聞かされていないステファノに、支援を求めることに。

二人の離婚原因は、お互いの生まれ育った家庭環境に隔たりがありすぎたことと、ステファノの不倫でしたが、ステファノは支援の見返りとして、なぜか復縁を要求。カーリーは娘を助けるためだけに、顔も見たくなかった元夫と再婚することになりますが…




星状細胞腫は、小児の脳腫瘍のなかで、最も発症率の高い病気だそうです。

小児の難病の多くは、ほんとうに患者数が少ないので、たいていの親御さんは、我が子の発病で、はじめてその病名を知るという場合が多いのではないかと思います。(私もそうでした)



作中のカーリーは、不幸な結婚と離婚、そしてシングルでの出産、我が子の発病と、大変な試練を受けることになりますが、なにしろハーレクイン作品ですので、病気は全快しますし、一度壊れてしまった夫婦の絆も、共に我が子を支え、乗り越えることで、再び強く結ばれることに。ちなみに離婚原因となった夫ステファノの不倫活動は、悪意のある女性の差し金によって構築されたものであり、事実無根だったと判明します。




そんなに何もかもうまくいくなら、苦労はしないよなあ、リアリティないよなあとは思うものの……


物語のなかくらい、全部ハッピーでもいいですよね。(´・ω・`)














白井 幸子・サンドラ・マートン「無慈悲な独身貴族」(脳腫瘍)


「無慈悲な独身貴族」
白井 幸子 (漫画), サンドラ・マートン (原作) Kindle版 Amazon




大学院生のジェニーは、これまで絶対に許されなかった経験をしてみようと思い立ちます。

飲酒、危険なスポーツ、情事…

かつてそれらを禁じて、ジェニーを安全な場所から出そうとしなかった両親はすでに亡く、ジェニーの寿命も、残りわずかと宣告されていたからです。

場末の酒場でジェニーに出会ったトラヴィスは、事情を知らないまま、ひどい頭痛持ちのジェニーの危なっかしさや純情さに振り回されて、気がつけば独身主義を返上し、結婚を決意。けれどもジェニーの病魔はカウントダウンを開始していて……


ハーレクインですから、もちろん最後はハッピーエンドです。
ほとんど助かる見込みのない脳腫瘍も、大富豪であるトラヴィスが全力で見つけてきた名医の執刀で、見事に完治。


ハーレクインは難病を題材にする場合も多いのですが、ヒロインやヒーローが罹患した場合は、ことごとく治癒します。まるで魔法のようです。


読んでいて、リアルもこうだったらなあと、よく思います。(´・ω・`)




小西 明日翔 「春の呪い」  (ガン…詳細不明)


小西 明日翔 「春の呪い」  Amazon Kindle版   一迅社


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(一度UPしたあと、操作ミスで削除してしまったので、書き直し・・・・)



表紙の絵で骨箱を抱いている夏美。

箱の中にいるのは、最愛の妹、春。

隣に座っているのは、春の婚約者だった、冬吾。


夏美は実の父に嫌悪され、自宅にも、世界のどこにも自分の居場所を見いだせずにいる。唯一の心のよりどころであり、自分の存在すべてを賭けて愛していた春に死なれた後に、もはや生きる目的は何も残っていなかった。


冬吾は、親の意向で決められたレールに従うことしか許されない人生に、生きる意味を見いだせず、自分の感情を殺して生きていた。親の指示で春と婚約したものの、愛情を持てるはずもなく、惰性で付き合うばかりだったけれども、春の死の前後に、姉の夏美のなかに、自分と似た孤独や苦しみをを読み取って、強く心を引かれるようになる。


春の葬式のあと、冬吾の強い求めに引きずられるようにして、夏美は冬吾と付き合うようになるけれど、亡き春の残した思いが呪いのように二人を覆い、未来に見通しを持つことを許さない。結局二人は別れるけれども、夏美は生前の春がネットに残した書き込みを発見し……そこで一巻目が終了。



早く続きが出てくれないと、大変落ち着きません(´;ω;`)。



そして、まだ若い春の命を奪った病気ですが、作中では、ガンであることと、抗がん剤投与と、輸血を受けていることしか描かれいないため、具体的な病名、病状については、いまのところはわからないままになっています。



物語の主題に関わるのは、春の死であり、残された思いなのでしょうから、病名については、ガン以上のことは語られずに進んでいくのかもれしません。